労働時間の現実①
ドイツは世界でも労働時間が最も短い国の一つだ。
OECDの統計によると2019年のドイツの平均労働時間は1383時間(2019年)で、
OECD加盟国中では、ノルウェー、デンマークに次いで3番目に短い。
しかしながら日本の平均労働時間は1644時間で、調査対象国となっていた36ヵ国中19位に留まっている。
ですから、
ドイツ人は日本人に比べて、年間261時間も労働時間が短いという事になる。
このような結果になるのは、『労働』というものに対するヨーロッパとアジアの考え方の違いから説明しなければならない。
ヨーロッパ、特にドイツだと労働というは大きく日本人と感覚が違います。
そもそもキリスト教徒の多いヨーロッパでは、
アダムとイヴの逸話から、禁断のりんごを食べたことから、
神から『労働』という罰を与えられたという考え方が一般的であり、
労働は罰という基本的な思想があります。
ドイツ人は労働というものを私生活に持ち込まない。
イタリア人もそうですが、仕事時間とプライベート時間は大きく考え方が違うので、
日本とヨーロッパでは大きく違うのです。
また違う観点から説明すると、
ドイツと日本は国民をどう捉えて考えているのかが大きく違うように思える。
ドイツは国民というものをどちらかというと労働者だと捉えて、労働者の権利に重きを置いてきました。
そして日本の場合は労働者を消費者だと捉えて、消費者の権利に重きを置いてると思います。
ですからドイツでは労働者の権利を重視するため、休日を充実させ、1日に働く時間も厳格に取り決め、徹底的に労働者が働きやすい環境を構築してきたのだと思います。
ところが、日本は消費者としての権利を重んじているために、『お客様は神様です』という意識が強くなったのではないでしょうか。
神様の為にコンビニは24時間オープンし、土日に店を休むなんてもってのほかで、
ネットで注文した場合も商品が翌日に届くのは当たり前という風潮になっているのです。
今の日本では、神様のために良い商品・良いサービスを少しでも安く提供するのは当たり前という考え方が今でも根強く、サービスをする側が極度にストレスを溜める原因にもなっているのではないでしょうか。
次回の記事に続く。。。