労働時間の現実②
ドイツでは労働に関する観念が違うように感じます。
例えば、
月曜から金曜日の事を日本では『平日』といいますが、ドイツでは『働く日』と言われます。
日本人の誰でも知っているアルバイトという言葉はドイツ語ですが、本来のアルバイトの意味は『労働』という意味です。
Arbeit(アルバイト)の語源はゲルマン語で『arba』が語源になっており、下男、家来、奴隷という意味があります。
つまりドイツの労働という言葉には『苦役』というニュアンスが含まれているのです。
ドイツでは、月曜から金曜を『Arbietstag』もしくは『Werktag』と言い、意味は『働く日』と先ほど説明しましたが、以上のことから考えても、労働は苦しいもので、長くやるものではないという考え方になります。
そして、日曜や休日はキリスト教の教えでは『安息日』となっており、
一切の労働をしないという考えが強く、
実際日曜・祝日の商店のオープンは基本的に法律で禁止されています。
しかしながら日本では月曜〜金曜は『平日』であり、いってみれば普通の日で、
土日、祝日の方が「特別な日」というイメージになります。
これはよく考えてみると、『働く日=普通』、『土日・祝日=特別』という考え方はドイツでは全く逆の考え方です。
ドイツでは日本でいう平日の労働日は普通では無い特別な日であり、『働く=特別な日』で、
『土日・祝日=普通』であって当然の日という事になります。
ですから、ドイツと日本の考え方の違いというのは大きく、そう簡単に埋まる事案ではないという事になり、
日本の様に労働は尊いものという道徳観があり、勤勉は美徳だと考えられている上に、
『働かざるもの食うべからず』ということわざもあるぐらい働くことが重視される日本がヨーロッパの様に、
大幅に労働時間が短縮されるというのは未来永劫無いのかもしれません。